
2025年8月8日
ハイカラーイシガメについて
ハイカラーとノーマルカラーのニホンイシガメの違い
ニホンイシガメの甲羅は、とても美しく魅力的です。
中でも「ハイカラー」と呼ばれる色調は、発色の鮮やかさや模様の入り方が一匹ずつ異なり、まさに唯一無二の存在です。
甲羅の色の違いは遺伝だけではない
私は毎年、綺麗な甲羅を持つ個体を1〜2匹だけ残し、繁殖用として飼育しています。
その中でハイカラーになるのは全体の約1割ほど。
しかし、長年の経験から「甲羅の色の違いは遺伝だけではない」と感じています。
愛嬌があったり、人懐っこかったり、餌をよく食べる個体など、性格面で選んだカメが、成長すると美しい甲羅になっていることも多いのです。

飼育環境と餌が色に影響する
これまで、餌や飼育場所を変えることで甲羅の発色に影響があるのではと考え、さまざまな試みをしてきました。
特に餌は重要で、産卵後は脂肪分の多い餌を与えて冬眠に備えます。
冬眠明けはカルシウムを多く含む餌や、植物性乳酸菌で水質改善を行い、健康的な甲羅作りを意識しています。
環境作りが、美しい甲羅を育てるための重要なポイントです。
ハイカラーイシガメを繁殖する理由
私は30年以上ニホンイシガメを飼育してきました。
2019年の動物愛護法改正前までは、一般の人でも自由に飼育・販売ができたため、繁殖したカメを近所の子どもたちに譲渡したり、河川に放流したこともありました。
しかし現在は、管理や販売には許可が必要となり、その中で付加価値を高める目的もあって「ハイカラー」の繁殖に力を入れています。
2025年の産卵状況
前回のブログでも触れましたが、毎年増える個体で屋外の繁殖プールが狭くなり、産卵前にアダルト個体を数匹販売しました。単純に5匹減らすと(20×5=100個)産卵数は減少します。
その結果、産卵数は大幅に減少。
さらにヤング個体は初産で水中産卵をしたり、穴掘りができず地面の上に産卵するなど、安定しない繁殖も見られました。
それでも、ハイカラーの子ガメは少数ながら誕生しています。
販売は9月以降、ホームページの「個体販売」ページに掲載予定です(※予約販売は行っていません)。

繁殖ブームと注意点
最近はInstagramでも、ニホンイシガメの産卵や繁殖を投稿する方が増えてきました。
ブームの広がりは嬉しい反面、販売や譲渡に関しては動物取扱業の資格が必要です。
中には、河川で捕まえた個体を販売しているかのような投稿も見られますが、これは法的にも倫理的にも問題があります。
ルールを守り、適切な管理のもとで繁殖や販売を行うことが、ニホンイシガメを守るためにも大切です。