2025年7月11日

日本イシガメの産卵状況と世代交代の経過

今年は大型個体を減らし、その代わりに若い個体を新たに繁殖ラインに加えました。
初めての産卵になる個体もいたのですが、残念ながら水中出産してしまったものもチラホラ見られました。さらに、穴を掘らずに産卵した個体もいて、卵が乾燥してカピカピに凹んでしまっています。しかし一方で、白濁りしている卵もあり、発生が続くかどうか現在も注意深く観察しているところです。

オレンジアダルト個体と卵
ニホンイシガメアダルト個体と卵

以前から世代交代のタイミングを考えていました。そのため、若い個体の成長が順調だったこともあり、13~15歳ほどの熟成個体を今年の6月、産卵前に販売することにしました。
本来は今期の産卵後に販売する予定でした。ところが、昨年の産卵後に餌を変えたことで冬眠明けの若個体が一回り大きくなり、結果として屋外の飼育場が手狭になってしまったのです。加えて、水質悪化も進んだため、泣く泣く熟成個体を販売する決断に至りました。なお、残っている熟成個体についても、今期の産卵が終わった後に販売する予定です。

日本イシガメイエローアダルト個体の卵
ニホンイシガメイエローアダルト個体の卵

また、給餌方法にも工夫を加えました。昨年の産卵後からは脂肪分の多い餌を追加し、さらに冬眠明けからも引き続き脂肪分を意識した給餌を行いました。
加えて、6月からはカルシウム分を多く含む餌をプラスしたことで、6月中旬から少し遅れて若個体の産卵が始まっています。つまり、餌の内容が産卵のタイミングや体調に大きく関わっていると考えられます。

無精卵
無精卵

全体的に見ると、今期の産卵数は少なめです。具体的には、若個体の1クラッチ(1回の産卵)の平均は4個ほどとなっています。したがって、今後は若個体の産卵状況をよく観察し、次期以降に安定した繁殖を目指すことが課題です。

大型個体は安定した産卵

数匹残している日本イシガメの大型個体は安定した産卵状況です。数は産んでくれるのですが、受精率は少しおちています。

日本イシガメ大型個体
イシガメ大型個体
日本イシガメ大型個体の卵
ニホンイシガメ大型個体の卵

安定して産んでくれる個体は保険みたいな存在です。これまで保険係がたくさんいたのですが今期の入れ替えもあって産卵数も少ない状況です。途中経過の報告となります!

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